ADHDの原因だと心配されやすい物を集めました。砂糖・化学調味料・家庭の愛情不足などなど、全部ADHDに関係ない!!
1.ADHDに無関係なもの
ADHDの症状をみていると、砂糖のせいで興奮してしまっているのではないか……化学調味料のせいで気が立ちやすいのではないか……家庭のストレスのせいなのか……などと心配になることがあると思います。
また、子供がADHDである場合、その症状から、『妊娠中に子供の発育に悪影響をあたえるようなことをしたからだ』『家庭環境が粗悪なせいだ』『しつけが悪い』などと、家族、特に母親への嫌みや叱責を言う人がいるのではないかと思います。
最も悲しいパターンは、『子供がADHDであることは全て自分のせいだ』と、家族が自らの非を責めてしまうことです。
ADHDはしつけや家庭環境は一切関係ありません。
今回、ADHDの原因として間違えられやすい
『砂糖摂取』
『ニコチン・アルコールの摂取』
『家庭環境』
について取り上げていきたいと思います。
2.ADHDと砂糖
過去にはADHDは特定の食物、特に砂糖によって引き起こされると考えられてきました。
しかし、それを科学的に裏付ける研究結果が見つかっていません。
よって、現在、この考えは誤りであると考えられています。
たしかに、砂糖に限らず食物を多く摂取すると、満腹になってエネルギーがわいてくるため、より活発になる可能性はあります。
したがって、ADHDの症状は悪化しているように見えるかもしれません。
さらに、砂糖を摂取することでテンションが上がってしまうことで、よりエネルギッシュに騒ぎ出すため、ADHDの症状は悪化しているように見えるかもしれません。
でもそれは『悪化しているように見えるだけ』で、何も症状は変化していません。
しかし、ADHDであるかどうかは関係なく、砂糖は肥満や糖尿病、虫歯の原因になるため、ある程度は砂糖の摂取をある程度制限するのが望ましいと考えられます。
3.ADHDと有害物質
妊娠中のニコチンやアルコール、鉛の摂取はADHDの子供を産む可能性を高めるともいわれています。
確かに、これらの物質は脳組織の発達において有毒であり、脳の発達に影響を与える可能性は高いと考えられます。
しかし、それらの物質が、ADHDである多数の人々の脳の発達に問題をもたらしたとは現実的に考えられないため、ADHDの直接的な原因とは考えられません。
妊娠中に家族全員が飲酒・喫煙を一切していなくても、ADHDの子どもは生まれます。
とはいえど、妊娠中はADHD以外の障害や病を招く可能性があるので控えましょう。
4.ADHDと家庭環境
家庭環境や愛情不足、育児放棄などもADHDの原因でもありません。
ADHDの子ども達は、周りの子ども達よりも、教師や親の指示を聞かない傾向があります。しかし、それは教育やしつけの違いではなく、ADHDという障害により生じる違いです。
テレビがADHDに影響を与えるとする考えもありますが、科学的見地から根拠が見つかっておらず、これも間違っていると考えられます。
確かにADHDの症状のために、テレビやインターネットを長時間見てしまうことはありますが、それはADHDの症状の1つであって原因ではありません。
実際、テレビやインターネットに関係なく、先進国と発展途上国とではADHD発症頻度は大して変わらないことが報告されています。
しかし、長時間のテレビ鑑賞やネットサーフィンは問題なので避けた方が良いかと思います。