ADHDが鉄の摂取で予防できるかもしれない、と注目があつまっています。その理由と予防法について解説。
1.ADHDと鉄
近年、ADHDと鉄分の関係に注目が集まっているようです。
本サイトの
この記事の「3.ADHDと脳内物質」にあるように、『ドーパミン』、『ノルアドレナリン』はADHDに深く関わっていると考えられています。
この『ドーパミン』、『ノルアドレナリン』を生成するためには鉄分が必要であることから、ミネラルとして『鉄』を補給することでADHDの早期予防に役に立つかもしれないと考えられているのです。
実際にADHDの子供達の血液中の鉄分量を検査したところ、通常よりも鉄分が不足していることが発見され、鉄分を補うサプリメントを与えたところ、ADHDの症状改善が見られたのことです。
また、この鉄分不足ですが、貧血を起こすほどの不足ではなく、日常生活を普通に送れるレベルの鉄分不足です。
したがって、本人も周囲の人も、『鉄分不足である』ということに気づくことは難しいですし、医師であっても、例え気づいたとしても『生活に支障が出ないため、特に問題無し』と見逃されてしまうこともあります。
ちなみに、大人のADHDの方々にも同様に検査したところ、鉄分は不足していないことが発見されています。
よって、この「鉄」という観点からは、ADHDの原因は遺伝的に元々体内に蓄えている鉄が少ない幼児の鉄分欠乏が原因で、発育に何らかの問題が生じてADHDを発症した、と考えられています。
以上のことから、幼児期に鉄分不足を認識して鉄分を与えることで、一部のADHDは完全に防げるかもしれないといった推測がされています。
2.鉄分を補うには
この、ADHDの鉄分不足ですが、日常生活に支障が無い程度のものとはいえ、『鉄鍋』や『南部鉄のやかん』、『レバー』といったものから意識して鉄分を摂取する程度では十分に補給できません。
したがって、もし鉄分が不足しているのなら、サプリメントから鉄分を補給しなくてはなりません。
しかし、鉄分過剰は深刻な健康問題を引き起こします。
体が小さく、薬や栄養の影響を強く受けやすい子供にサプリメントを安易に与えることは大変危険です。
したがって鉄分をサプリメントで補う際には、医療機関で専門医に相談し、『アドバンストフェロケル』、『Nowアイアン』などといったサプリメントを体格に合わせて摂取することが望ましいと考えられます。
【参考サイト】※英語です
Posted Nov 29, 2015 Emily Deans MD Iron influences brain maturation and deficiency may play a role in ADHD.https://www.psychologytoday.com/blog/evolutionary-psychiatry/201511/iron-dopamine-and-adhd