ADHDと鏡文字

ADHDと鏡文字

1.はじめに

 

鏡文字って知っていますか?

上下はそのままで左右を反転させた文字で、鏡に移すと正しい文字になるあれです。

私は昔、いつも鏡文字ばかり書いていて、なかなか字が書けず、また、文字自体書くことが非常に苦手でした。

また、小学校では周りの子達のように何かをなぞったり文字を思い通りに書いたりすることが出来なくて、嫌な思いをしていました。

ということで、当時をちょっと思い出しながら書いてみようと思います。

2.なかなか字が書けない

まず私は昔、真剣にひらがなを練習しているにもかかわらず、なかなか字が上手く書けなくて、親をとても困らせていました。

なぞっているときは正しい字が書けるのですが、白紙の紙に字を書こうとすると頭に浮かぶ字は鏡文字・・・・・・そんな感じだった気がします。

たしか幼稚園の年長さん辺りからひらがなを練習していたのですが、毎日練習しても鏡文字クセはなおりませんでした。

鏡文字については幼児は脳の発達が未熟なため良くあることらしく、取り立てて珍しいことでありません。

しかし、私の兄弟は小学校はいる前にはきちんとひらがな、カタカナは書ける状態でしたので、私はちょっと兄弟よりも発達が遅れていたようでした。

そんなこんなで、私はひらがながちゃんと書けない中途半端な状態で小学校へ入学。

そして小学校で、私は『文字を書く』というよりも、『鉛筆を持って何かを書く』こと自体が非常に苦手であることに気づかされました。

例えば小学校の教材として、直線や円、らせんと言った線画をなぞるというプリントを学校でやっていたのですが、とにかく私は線を上手くなぞれなくて、らせんなんてほぼなぞれていない状態。

周りの子達は綺麗にちゃんとなぞれていたのに対し、私は上手くなぞれず、ぐちゃぐちゃ。

しかも、私は消しゴムを使うのがとても下手で、いくら綺麗に消そうとしても上手く消えないんですよ。消そうとすればするほど汚くなっていくプリント。それどころか、時に強く消しすぎて紙が破れる。

あまりに出来なすぎてショックだったのか、線画が描かれた配布プリント、また周りの子達の綺麗な『なぞり跡』を今でもしっかり覚えています。

さらにひらがな、カタカナについても周りより遅れていて、ひらがなをカタカナに変えるちょっとしたミニテストでは0点。

『くま』と書かれていて下に熊のイラスト、そしてその下の枠にカタカナを書く、といった感じで動物の名前について5問のミニテスト。

テスト中、『私はまだひらがな書けていないのに、カタカナなんてわかんないよ!!でも私だけじゃない、皆書けないはず!!』と思ったのですが

・・・・・・返却の時周りを見るとみんな書けているんですよ!!

もう訳が分からなかった。何でみんなちゃんと書けるのか。

意味が分からない。

3.親がやったこと

私はここまで書いてきたように、字を書いたりなぞることが非常に苦手でした。

上手く力が調節できないのか、上手く手を動かせないのか、文字を覚えられないのか、なにが原因なのか分かりませんが、とにかくへたくそだった。

枠内に字を書こうとしても、上手く鉛筆を制御出来なくて枠からはみ出ちゃうんですよ。

そんななか、親がやったこと。

それは放置、でした。

もう驚くくらい放置。

何一つ私の字について口を出さなかったんですよね。

ここで少し話が変わりますが最近、私の親は

『獅子リス(私)はちょっと周りより芽が出るのゆっくりで周りより遅れていたけれど、これからはぐんぐん伸びてくぞぉ!!』

と口癖のように言うんです。

本当に親馬鹿みたいな口癖ですが、あながち間違いではなくて。

私もひしひしと最近の急激な自分の成長に驚いているんですよね。

昔は周りよりも字が書けず、計算も出来ず、とにかく成績が悪い子どもで、とにかく沢山ご飯を食べることだけが取り柄という感じでした。

でも、その後は紆余曲折しながらできる事が増えていき、今や普通の国公立大学に通えています。

また、大学には行ってもそこで成長が止まることなく、ADHDを含めた自分の特性と向き合って行動を重ねることで、どんどん自分が伸びていっている感覚がします。

よく『子どもによって成長具合がバラバラで、遅咲きの子もいるから温かく見守ろう』と言いますが、私の場合、本当にその通り。

今やっと成長がはじまった感じです。

4.さいごに

ということで字を書くのが苦手だった過去を振り返ってきました。

私は何かと全体的に成長が遅いというか、マイペースだったため、沢山親に迷惑や心配をかけてきたし、喧嘩っ早くて自由奔放だったことから学校の先生の手も煩わせてきました。

でも今はそこそこマトモになって、学校では相変わらず浮いてはいますが、まあまあ上手くやれています。

だから、なかなか字が上手く書けなかったり、掛け算がいつまで経っても覚えられなかったり、学校のプリントをすぐになくして親が何度も学校に電話する羽目になったり、まぁ色々あっても、きっと大丈夫です。

周りの人が出来ていること全てが出来るようになることはなくても、一生懸命出来ないなりに努力をしたり、他のできる事に打ち込んだりしていたら、自分の出来ないことも少しずつカバーできるようになっていきます。

そういえば、以前学校の先生に『なぜ皆が出来ていることが出来ないのか』というようなことで呼び出されて怒られたことがあります。

もうね、辛かった。

やりたくても治したくても上手くいかない事実を理解してもらえない悲しみ、惨めさ。

先生も一生懸命だし、注意したい気持ちも分かるのですがねー、もー治せるならとっくに治しているよと言う感じ。

出来ないことに対して周りが怒っても無理矢理やらせても不安がっても、出来ない物は仕方がない。責めてもどうしようもないので、責めない。

そのうち出来ると見守る。

できなけりゃ、それはそれでよし!!

私の親のこういう方針は、私にとってすごくストレスが少なくてありがたかったです。今もこの方針は同じで、心の支えになっています。

だから、もし今、周りと比べて成長が遅れていて上手く字が書けない子どもがいたとしても、きっと大丈夫。

子どもを信頼して見守ってあげて欲しいなと思います。

もちろん、必要に応じて病院などに行くのも良いかと思います。

しかし、どんな結果であったとしても、親がうろたえたり焦らないで欲しいです。

子ども側としては、親が不安そうだと『自分がダメな子どもだからいけないんだ』と自己嫌悪に陥り、自己評価もどんどん低下していくので二次障害をもたらします。

なので、どんな結果も無理に成長を急かそうとせず、温かく見守って欲しいなと。

ということで、ここまでありがとうございました!!

ADHDブログカテゴリの最新記事