ゲームにのめり込みやすいADHD。
なぜADHDの人はゲームに没頭しやすいか、当事者からの視点で書いてみました。
1.はじめに
ADHDの人はゲームにのめり込みこむと、自分の全ての時間をゲームに捧げてしまいがちです。
よって、ADHDの子どもをもつ親としてはゲームばかりする子どもが心配で、子どもからゲームを隠してみたり、ゲームをする時間を決めて取り上げてみたりしていると思います。
それに対し、ADHDの子はゲームを取り上げられると、暴力的な行動を起こしたり、怒り狂ったりしているのではないでしょうか??
私も小さい頃は、というか今でもゲームにのめり込むところがあり、親によく怒られてきましたし、そのたびに大喧嘩をしていました。
でもなぜ、そこまでADHDの子はゲームに熱中してしまうのでしょうか。
2.なぜゲームに没頭しやすいのか
ゲームとADHDについて考えるには、『どうしてADHDの人はゲームにはまりやすいのか』から、考えなくてはいけません。
まず、ADHDの性質について考えてみましょう。
ADHDの人は基本的にエネルギッシュにパワーに満ちあふれていることが多く、また、常に刺激的なもの、新鮮なものを好む性質があります。
つまり、『暇な時間』『何もしない時間』『ボーッとするだけの時間』が苦手なのです。
次にゲームについて考えてみましょう。
ゲームをしているときは、基本的に目と手は動かし続けなくてはなりません。そしてゲームでは瞬時に自分の行動(操作)の結果がもたらされ、どんどん新たな状況が生まれていきます。
例えばポケモンをプレイしているとして、ポケモンバトルでは自分のターンでももしなければゲームは進まないですが、『攻撃の技を選ぶ』といった行動(操作)をすることで、『敵にダメージを与える』という結果がもたらされます。そしてその結果がもたらされた後に、今度は敵が自分を攻撃し、敵の行動による結果がもたらされます。さらにその結果をうけ、自分のターンでまた『攻撃の技を選ぶ』といった行動(操作)をすることで………といったように、ゲーム中は連鎖的に動き続けなくてはならず、じっとしている時間がありません。
また、ゲームの中では様々な試練や目標が生じ、常に頭を働かして行動をしなくてはいけません。
同じくポケモンを例にとると、ゲームの中には『ジムリーダーを倒す』『四天王を倒す』といった分かりやすい試練があり、その試練に向かってポケモンを強く育てていかなくてはいけません。ゲームをしているとそのような分かりやすい試練や目標が次々と生じるため、試練や目標をいくら達成しても、終わりがありません。
つまり、ゲームをしていると『暇な時間』が全くないのです。
ゲームで1つ目標や試練を達成したら、また次に新たな目標や試練がわき上がってきます。
ボーッとしていていい時間がどこにもないのです。
普段の生活では、常に選択をせまられ、かつその結果がすぐにもたらされ、めまぐるしく物事が変わっていくことなんてありません。
だから、ADHDはあまり大きな変化がなく平穏な日常生活より、常に選択し、行動し続けなくてはならない、そしてどんどん自分の行動に対する結果が明らかになり、状況が変わっていくゲームがたまらなく面白いのです。
したがってADHDの人にとってゲームは現実よりずっとスリリングで楽しく、ゲームに没頭し、最終的にはゲームに依存してしまようになるのも仕方ありません。
3.最後に
ゲームは楽しい。
時間を忘れてゲームをしてしまい、気づけば朝日が…………。
よくあることですが、時と場合を考えてゲームを楽しまないと破滅をもたらします。
テスト前にゲームをしてしまった………やるべきことがあったのにゲームをしてしまった……などと一時の自分の感情に流されてはいけません。
後悔することがないように適度にゲームを楽しんで下さい。
また、時は金なり、時間はどんな人にも平等だし、お金に換えることも出来ない非常に貴重なものです。
ゲームでいたずらに時間を無駄にし過ぎないように気をつけたいですね。